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青の炎

今週は、ゲームもせずにひたすら本ばかり読んでいました。
月曜日から始まって木曜日まで。
月曜日は「リリアとトレイズ」の5巻6巻を。
火曜日は「化物語 上」、水曜日は「化物語 下」、そして木曜日は一度読んだことのある「青の炎」。
もともと本を読む事が嫌いなわけではないので一度読み始めてしまうと読書三昧でした。
そんな中で、久々に読み返した「青の炎」の感想を書きたいとおもいます。



青の炎を読むきっかけになったのは、大学生の頃、心理学の授業でレポートを書くために指定された課題図書でした。
その頃、ちょうど映画になっていて母さんが読んでいたので借りたのがきっかけなのです。
当時、18歳。
推理小説物は読まない人だったので(むしろその頃はラノベ)、殺人シーンは読み手の俺がなぜか緊張。
年も近かったせいか主人公への感情移入が強く、本当にドキドキした。

簡単にあらすじを説明すると、母の離婚したはずの夫が家におしかけてきて邪魔だった。傍若無人なそいつに幸せな家庭を壊されて殺す事を決断。
母と妹を助けるために、捕まっては意味がない。
メディアに晒してはいけない。悲しませてはいけない。
その思いから完全犯罪に挑む少年の話。

といったところです。
単純に、俺はこういうのがすごい好きだ。
家族のために、友達のために、そういう動機はすごく好きだ。
そういうところが「青の炎」の好きなところだった。
今回読んでみた時、やっぱりそういう面には共感ができた。
誰だって人を殺してやる!っておもった事はあるとおもう。
だけど出来ない。
なんでそこまで主人公を突き動かしたんだろう。
大学生の頃は、やっぱ「家族のため」という理由でやったとおもっていた。
なんともかっこいい主人公だ。
今回読んでちょっと気づいた。
文章の途中で「完全なトリックで、警察に勝った」というような一文がある。
理由は「家族のため」だったけど、主人公は本当はただ殺人をしたかっただけなんじゃないか、とおもった。
完全殺人をして自分すげー!って事を試してみたかったんだとおもった。
大学生の頃は友達なんかと「二度目の殺人がなければうまくいったのに…」なんて話をしていた。
でもさ、この本は本当は「家族のために」なんて理由を出して逃げようとする事を咎めてるのかもしれない。なんておもった。

そんな斜め視点でも、やっぱこの作品は面白いとおもう。
俺の周りにゃこんな普通な本を読んでくれる人は少ないとおもうけど、ぜひ読んでもらいたいとおもった。

by tora5992 | 2007-04-20 00:00 | 読書  

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